中村天風 天風哲学を学ぶ 天風哲学の目的は、生きがいある人生の実現にあり、そのための How to Do を系統的かつ秩序的に体系化しています。 天風という方は「『how to say』よりも『how to do』の方が大切だ」といつもおっしゃっていたそうです。 また 生きがいという観点では 心と身体はひとつになりたがっているのだから 具体的な実践で、「 ひとつになれない要素( 原因 ) 」を効果的、効率的に取り除いていき 「 心身統一法 」を熱心に実践して心と身体を一つにまとめて心を積極化し、身体も訓練的に慣らしながら積極化させて自然法則に順応させる生き方( 生活 )をしていると 生命を活かす力( 生命要素 )がぐんぐん高波のうねりのように増してきて、生きがいのある頼もしい人生のレールが顕現してくるのだから、そのレールに乗っかって生きればいいとおっしゃっていたようです。 その様に本来出来ている生命をそのとおりに活かしきるのが人間としての本来の自然な姿だということを生涯を通じて証明した方でもあります。 「 心身統一法 」は、文字どおり「 心 」と「 身体 」を、生きがいのある頼もしい人生を活きるために正しく扱うための実践法です。 そして天風哲学では、「 身体 」も「 感じる心 」も非常に重要視しています。 言い換えれば「 心を大事にする心 」を重要視しているのです。 また「 心 」を大事にするからといって 決して精神至上主義に陥ることなく 私( 吾 )というものを心の上位概念として位置づけて「 心を取締る主宰権のある吾 」として論理的に明確化し、実践で実感できるようにしている点が他の哲学体系と決定的に異なっています。 中村天風大先生の原文:「ほんとうの心の力」でも天風哲学がHow to Doの リアリズム哲学であることの片鱗を窺い知ることが出来るでしょう。 ( 以下引用 ) ◆運命をひらくために 現実の力で解決する 多く言うまでもなく、人生はどこまで言っても現実の世界なんだから、これを忘れちゃいけないんだよ。 死んでから後が人生じゃないんだから。死んでから後のことまで考えようとするのは宗教なんだ。 天風哲学は死んだ後のことなんか考えやしないもん。 死んだ後というものは明日以後のことなんだもんね。 現在ただ今生きてるこの人生というものを考えていくということが私の主義であり、主張であるんだから。 生きていることは現実なんだ。 どんな人間でも今現在、自分自身で死んでいるとは思いやしないだろ。 生きている、息してる、血がかよってる、ものを言ってる、糞しょんべんだれる、恋をする、何じゃかんじゃ、みんな現実なんだ。現実はどこまで行っても、現実の力以外のものでは解決できないんだよ。 べつに私は宗教をけなすわけじゃないんだけれども、ただ、見えない、わけのわからないものにお頼みして、おすがりして、それを現実だと思っている人は、観念のなかに、ある錯誤があるんです。 どこまで行っても、つねりゃ痛い、ひっかきゃ痒い、切りゃ赤い血が出るこの生命を生かしている刹那、刹那は、宇宙真理という現実のもので解決していかなきゃいけないのであります。 ( 以上引用終わり ) |
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